地底人とりゅう

「地底人とりゅう」は、日々の読書本を記録していくために開設した個人ブログです。書店では入手困難な古書の紹介もぽつぽつと投稿しております。

エッセイ

『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文春文庫):ジェーン・スー

女たちは日夜、心と身体にゴテゴテの甲冑を身につけて生きている。 それを私自身に当てはめてみれば、青白い肌を血色良くみせるための口紅、地味だけれど上質な服、現代アートではなく、歌川国芳や広重の浮世絵を好むところや、男よりも短い黒髪もそうだと言…

『17歳だった!』(集英社)『あはははは』(幻冬舎):原田宗典

物語が好きな私でも、面白すぎて身の危険すら感じるエッセイはある。 十七歳だった! (集英社文庫) 作者:原田 宗典 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1996/06/20 メディア: 文庫 あはははは―「笑」エッセイ傑作選 (幻冬舎文庫) 作者:原田 宗典 出版社/メーカ…

『辺境図書館』『彗星図書館』(講談社):皆川博子

「本が好き。だけど、自分がどんな物語を、取りわけ愛おしく思えるのか分からない」 そんな人は案外多いのではないでしょうか。 私自身、2年前まで自分は特にミステリーが好きなのだと思い込んでいました。 名の知れたミステリー小説ばかりを読み漁り、好き…

『雲をつかむ話(講談社)』:多和田葉子

登場する人物の仕草や表情、風景描写があまりにも細かく鮮明で、私は読み始めてからすぐ、もしかしたらこれは事実なのかもしれない、と感じた。 あくまでフィクションとして出版されているこの本の、どこまでが現実で、どこからが幻想なのかわからない。 ま…

『アースダイバー(講談社)』:中沢新一

中沢新一の新刊である「レンマ学」を読むことを潔く諦めた私に、親切で聡明な知人が中沢新一の著作物の中でも一番易しいと思われる哲学書として、「アースダイバー」という本を教えてくれた。 読んだからには感想を伝えなくてはいけない。 ところがいざどん…