地底人とりゅう

「地底人とりゅう」は田生 流(たお ながれ)の本紹介ブログです。書店では入手困難な古書も構わず投稿していきますが、読むことができたあかつきには、秘かにニンマリしていただけていたらこれ幸いです。更新は週1,2回ペース、なるべく3日置きにしていきます。(大型連休中は休載します)

寓話

『アサイラム・ピース』(ちくま文庫):カヴァン・アンナ

孤独と絶望で生まれたおどろおどろしい生き物が、行間のそこここで呼吸しているのを感じる。 『アサイラム・ピース』は、読者をアンナ・カヴァンのおぼつかない精神の世界に誘いこむ。 水面に落ちた一滴の墨と同様に、迷路のように曲がりくねってたちまち始…

『悪童日記』(早川書房):アゴタ・クリストフ

物語の底気味悪さは、童話のような読みやすさであればあるほど際立ってくる。 『悪童日記』はタイトルどおりの物語だが、その日記を綴っている悪童は、まだ幼い双子の少年たちだ。 二人が言う「ぼくたち」は一人称として使われていて、何をするにも一緒に行…

『深い穴に落ちてしまった』(東京創元社) :イバン・レピラ

深さ7メートル、 すり鉢を逆さにしたような形の穴がある。 ある日兄弟は、到底出られそうもないその穴の底に落ちてしまう。 深い穴に落ちてしまった 作者:イバン・レピラ 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2017/01/21 メディア: 単行本 不思議な本と出…