地底人とりゅう

「地底人とりゅう」は、日々の読書本を記録していくために開設した個人ブログです。書店では入手困難な古書の紹介もぽつぽつと投稿しております。

『ボールルームにようこそ(10)』:竹内友  『北北西に雲と住け(4)』:入江亜紀

いつも小説の紹介ばかりしていますが、実は私、漫画も大好きなんです。

1月17日、長い休載から2年半ぶりに発売された『ボールルームにようこそ』の最新刊、もう最っっ高でした!!!

 

ボールルームへようこそ(10) (月刊少年マガジンコミックス)

ボールルームへようこそ(10) (月刊少年マガジンコミックス)

 

 

何が最高かって、このブログで漫画好きをカミングアウトするつもりのなかった私の理性をもぶち壊しにくるほどの凄まじい熱量が、です。

紙面から熱量の間欠泉が沸いて見えるような漫画は、それほど多くはありません。

ふいに突然噴き出した熱量に呑み込まれ、溺れそうになって、あまりの熱さに灼けそうにもなりますが、

それでも勇気を出してふと瞼を開くと、虹の中で見たことのない世界が広がって見える。

ボールルームはそんな、荒々しくて優しい景色を見せてくれる、唯一無二の社交ダンス漫画なんです。

見どころは、なんと言っても登場人物たちの躍動感でしょう。

コマ枠を忘れさせるほどの画力はもはや漫画のレベルを超え、まるで動画を見ているような感覚にさえ、読者を陥らせます。

待望の10巻ですが、ダンスの最中にヒロインの千夏の体から花びらが溢れ出し、

主人公のたたらと一体になるシーンは、あまりの美しさに呼吸を忘れてしまいました。

 踊っている時の登場人物たちはみんな、ドキドキせずには見ていられないほどセクシーなんです。

社交ダンスに興味のない私でも、これを読まずして死んでたまるかというほどには最新刊を心待ちにしておりました!(ガラスの仮面も然り)

 

 

同じ頃、1月14日に『北北西に雲と住け』も最新刊が発売されましたね!

 

北北西に曇と往け 4 (ハルタコミックス)

北北西に曇と往け 4 (ハルタコミックス)

 

 

ボールルームのような読者を呑み込む勢いとは対照的に、本作からは、意識を遠い地へ連れ出してもらえるような穏やかな時間の流れを感じられます。

舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド

日本人の青年御山慧は、愛車のジムニーを相棒に、辺境の地で探偵業を営みます。

どうです、設定を聞いただけでも、わくわくしてきませんか?

慧は車や機械の声を聞くことができる不思議な能力を持っていて、旅をしながら人々の悩みを解決していきます。

ジムニーに乗って、コーヒー片手に旅をする、クールだけれど心根は優しい17歳の青年という黄金比率、もう格好よくないわけがありませんね!

現に、主人公がめちゃくちゃ格好良いんですよ。

長身でサングラスも馬鹿似合う。

その生きざまが少年心をくすぐるというか! 憧れます! 女ですけれども!

例え主人公が女性だとしても、憧れの黄金比率であることは拭いようもない真実。

バックパッカーのような生き方に憧れている人は、間違いなくハマると思います。

とても綺麗な絵なので、描かれる風景の美しさは、アイスランドに行ったことのない私でもまるで故郷に帰りたくなるような愛おしさを覚えるほどでした。

 

今回は2作同時にご紹介いたしましたが、漫画まであげだしたらきりがないので、次回からは小説紹介に戻ります!(今週中にでも)

 

 

@ながれ